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「おっ、来たな。こっちこっち」
アレスたちに気付いたカレルは、ニッと笑って2人を手招きする。
2人はうなだれたままカレルたちの元に向かう。
「どうした?元気ないな」
顔を覗き込んできたカレルの質問に、アレスが力なく答える。
「俺たち1番きついクエストにあたったんだよ。
で、教官がアタリであってハズレでもあるって……」
「どんなクエストだ?」
ゼロが尋ねると、ステラが課題の書かれた紙を手渡した。
それに視線を落とし、ゼロは小さく頷く。
「たしかに、新入生には少々厳しいクエストだな」
そう言ってゼロは紙をカレルに渡す。
「なになに?
『ゴーラ遺跡の奥に生えているバルド草を30キロ取ってくること』?
ありゃ、たしかにアタリでハズレだ」
「どういうことですか?」
ステラが尋ねると、ゼロが淡々と答えた。
「このクエストは、新入生には難度が高い。
だが、その分クリアした時の点数が高く、成績への反映が大きい」
「いや、ぶっちゃけた話パーティーがアタリでハズレだって言われたんだよ」
アレスがそうぼやくと後ろから笑い声が聞こえてきた。
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