二章

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男達は茶屋に入るなり私の父を呼んだ。 母と私は奥の部屋で静かに様子を伺っていた 話しを聞くと私達を脅して金を奪いにきたらしい。 父「お前等に渡す物はないっ」 勿論父は拒んだ。しかし、浪士はそんな父を切り捨てた。 母上も私を押し入れに隠し直ぐに浪士の元に行ってしまい、聞こえたのは母の苦痛の声。 私は泣いた 置いて行かないで! 居なくならないで 私を一人にしないでっ 私の啜り泣く声を聞いたのか浪士達が近づいてきた 「一人いやがったか!殺してやるよ!」 そう言って既に血が付着している刀を戸越しに突き刺した 肩に突き刺さり痛くて声も出せなかった。 すると浪士達は私が死んだと思い、店を出て行った 肩から流れる血が多く、意識が朦朧とし、もう駄目だ…と思った。 「おいっ…大丈夫かっ?」 そんな時、知らない人の声が聞こえた 誰…?私を呼ぶのは 誰でもいい、助けてくれるなら すると体が宙に浮いた すぐに抱き上げられたと感じ少し安心する 暖かい… .
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