田中くん

4/6

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
すると、その優しそうなお兄さんが 口を開いた 「しばらく会ってなかったから、 忘れちゃったかな。昔、隣に住んでた田中昌也です、久しぶり遥。」 そう言うとにっこりと優しい笑顔を わたしへと向けた やっぱりか、と納得の気持ちと 驚きが半分半分のまま、 わたしは昌也くんへ会釈した。 …やっぱり6年もすると 人は変わるものだ 背もぐっと高くなっていて、 昔からかっこ良かったが 大人っぽくなって 更にかっこ良くなっていた。 声も何処と無く低くなっていて、 何時の間に目が悪くなったんだろ う、 黒縁の眼鏡をかけていた。 昔から変わっていないのは、 優しそうな笑顔と雰囲気に 少し天然のふわふわな黒髪 わたしは昌也くんの姿をつい、 上から下へと見つめてしまった わたしの目線が昌也くんの顔へと 移ると目が合った 一瞬どきっとしたが、 昌也くんはふわりとした 笑顔を見せた わたしは昔も今もその笑顔が 大好き。 わたしもつられて、 ふふっ、と笑ってしまった やっぱり昌也くんだーーー、 .
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加