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「って……思ったんだが、お前が名前知ってるってことはうちの生徒だろ?なら先生に渡せばよかったんじゃねぇか?」
「…………さっ……さぁ早く帰ろ帰ろう!」
たくっ、とため息をつきながら桂は美里の後を追う
学校から徒歩で約一時間半の所に二人の家はある、いつもは学校からでるバスで帰るのだが、今日は最近噂されている行方不明事件のことで先生達が職員会議をおこなっているためにバスは出なかった
「にしても物騒な世の中だよな」
「『私達』がそれを言ってもねぇ」
そう、わたくし神野桂と橘美里は表向きは高校生だが、もう一つの素顔があるわけだが………それは時期わかるだろう
なんやかんやで家までたどり着き二人はそれぞれの家に帰った
二人の家は隣で、二人は昔からの幼なじみだ
「ただいまー」
「お帰りなさい、遅かったじゃない、どこか寄ってたの?」
この人は俺の母親の神野礼美(こうのれみ)だ、髪の毛をこの歳になって茶髪に染めてるのはそれなりに綺麗だからであろう
恥ずかしながらわたくしの母親は今年51歳である
とは言いつつも、この年でポニーテールが似合う主婦はそうは居ないだろう
「今日は職員会議でバスが出ないから遅れるって言ったろ」
「あら?そうだったぁ?ごめーん、お母さん最近物忘れ酷いのよ」
あっそ、と軽く受け流すと、桂は自分の部屋に入った、夕飯もうすぐよ、という母の言葉にも軽く返事をし、制服のままベッドに倒れこむ
「行方不明……か………………」
ガラガラ
突如窓が開く
「おいおい、まじかよ…」
突然のことに驚きながら桂はベッドから立ち上がり
窓をみつめ戦闘体制に入る
…………
…………
少しの沈黙
そして現れたのは
「ここはフィスラッド?」
「………………はい?」
女だった
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