運命の出会い

8/14
前へ
/73ページ
次へ
恭介の体はピタッと止まり、私の目を見てきたので私も彼から視線を逸らさなかった。 彼は手を震わせながら、でもたしかに私の手を握ってくれた。 (小さな手……きっと食事もまともには食べさせてもらえなかったんだろう) 改めて分かった。 ――彼がどれだけ栄養を取れていなかったのか。 ――どれだけ苦しい生活をしていたのか。 私は恭介の『元』両親の方を見た。 「こういうことなんで、私が恭介を育てます」 はっきりと両親に向かって言ってやった。
/73ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加