運命の出会い

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すぐに階段を下りて来る音がした。 「恭介、この子が私の娘でお前と同い年の紅葉だ」 ほら、挨拶しろ、と葵に言われて恭介の前に出される紅葉ちゃん。 「て、天丞 紅葉【てんじょう もみじ】です。 よ、よろしくね」 私も恭介に挨拶しなさいと言った。 (挨拶はギルドに来る途中に教えたから、たぶん上手くできる……はず) 「……は、花宮……恭介。 よ、よろしく」 ――――今、恭介は花宮って言ってくれた? 「ねぇ、葵。 おトイレ借りて……いいかな?」 「……あぁ行ってこい」 葵は私の事を察してくれたんだろう、答えてからは私から目を逸らしてくれた。 恭介が『花宮』と言ってくれた。 私が挨拶を教えたときは『如月』と言わせていた。 恭介はまだ小さく親との決別を明確にするか迷ったから。 なのに恭介は『花宮』と言ってくれた、その事実に私はボロボロと涙を零した。
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