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「も、紅葉ちゃん」
僕は紅葉ちゃんに話しかけた。
(さっきみたいになったら嫌だけど……)
「グスッ……ご、ごめん……ヒック……なさい。きょ、……ズズッ……恭介君、私のせいで……」
紅葉ちゃんは泣いて謝ってくれた。
それを見てなぜか僕も悲しくなった。
「だ、大丈夫だから泣かないで」
「グスッ……ほんとに?」
「ほんとだよ」
「えへへ、よかった」
紅葉ちゃんはまだ涙を流してるけど、さっきと違って笑顔になってくれた。
「おうっ、お前ら仲直りしたのか」
上から声がしたと思ったら、頭を撫でられた。
前を見ると紅葉ちゃんも撫でられていた。
「葵のせいで二人はそうなっちゃったんだと思うけど……」
「なんだとっ!? 私のせいかっ!?」
「そうに決まっているでしょ……」
音音は額に手を当てて言った。
そんな二人を見て、恭介と紅葉は顔を見合わせて笑った。
「む、なんでお前達は笑うんだ!?」
「私達がおもしろいからでしょ」
音音はまたため息をついた。
それから音音と恭介は葵の家に泊まった。
次の日、音音と葵は二日酔いになり苦しみ、恭介と紅葉はたっぷり遊んだ。
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