17人が本棚に入れています
本棚に追加
二人がタッグを組んでから六年、恭介は十歳になっていた。
「おーい音音、葵から任務きたぞー」
「ほいほーい、じゃあ任務にいきますか……“黒風”」
「よしっ、任務終了! お疲れ様恭介」
「音音こそお疲れ様」
二人は六年前の約束通りパートナーになっており、家も六年前のままだ。
だが変わったことも少なからずあった。
「音音、練習がてら組み手したいんだが」
「いいわよー、まだまだ負けないから」
音音は恭介に満面の笑顔を向けながら言った。
「……歳が歳なんだから無理するなよ」
恭介は顔をヒクヒクとさせながら言うと、音音は一瞬固まったが、また笑顔になった。
「へぇ……言うようになったのはいいけど、まだ一度も私に勝ててないでしょ? ただの負け惜しみにしか聞こえないよ」
二人の間には火花が散っていたが、二人の表情は笑顔だった。
最初のコメントを投稿しよう!