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それから二人は家から出て、近くにある拓けた場所にいた。
この場所は最初は森だったのだが、二人が今回のように組み手や練習をしている間に木々が倒れ、できた所だった。
「さて…やるか」
恭介は風を纏い、戦闘体勢にはいった。
「おぉー、恭介やる気満々だね!じゃあ私も……“ソニック・ステップ”」
音音は短い距離を音速で移動しながら、恭介に詰め寄って行った。
「くっ、“無風”!」
恭介は自分の周りを真空にし、音が発生しないようにして、音音の機動力を奪おうとした。
「おぉっ!? じゃあ“転調【ミュージック・チェンジ】”“幻想曲”!!」
幻想曲は音音の中で最速であり、音音の気分で行動が変わる自由気ままな技。
それをこの場では恭介の使った無風の空間から逃れるために使った。
「そう簡単に機動力は奪わせないよ“黒風”」
「なら“歌姫”の機動力に負けない技を使うだけさ! “風切・桜”!!」
風切・桜は桜が散ったのを連想させるように、小さい風の斬撃を複数飛ばす技。
恭介はそれを使い音音の行動範囲を狭め、違う技を当てようとしたが、音音はその展開が読めていたので風の斬撃の数が多い場所に突っ込んだ。
「初めての敵には有効な手段だけど、長年組んでいる私には無駄よ……っと!!」
音音は恭介が風切・桜を使うために真空の空間を解いたことを見逃さず、スピードを維持しながら恭介を横切ると同時に数十発殴った。
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