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「あっ! そうだ恭介。最後の風の鎧みたいなの何? 組み手で戦闘体勢に入るときのやつとは違うでしょ?」
「あれは風を纏って攻撃を受け流すために作ったんだが、まだ密度が甘いんだよな……こんな結果になったし」
音音は恭介の言葉に驚いた。
最後にやった音音の乱打、あれはたしかに恭介を倒すダメージを与えた。
だが音音はその風の鎧で両拳を包帯で包まないといけないほどの傷を負っており、また包帯はほんのり赤くなっていた。
(今より密度高くされたら殴れなくなるね。……いや、それだけじゃすまないか)
音音の考えは正しく、もし恭介の理想状態になれば打撃技が通用せず、衝撃なども風の流れで分散される。
もちろん音も例外ではなく、風の流れに乗り今回のようなダメージは期待できないだろう。
故にもし恭介の技が完成したら、音音に打つ手は限りなくなくなり、勝つのはほぼ無理になる。
そんな息子の成長が嬉しく、ついつい頬が緩んでしまう音音。
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