運命の出会い

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「ったく葵も人使いが荒いなぁ。こんなとこにはなんにもな……ん!?」 私から少し離れたところにある大きな木に子供が寝ているのが見えた。 私は駆け寄って子供を見ると、泣いた後なのか目の周りが赤かった。 「……って呑気に見てる場合じゃない! ―能力発動―!」 トクンッ、トクンッ、トクンッ、トクンッ (良かった、心臓はちゃんと動いてる。 けど……このままほっとくことはできないね) 「ねぇ、君起きて。 こんなとこで寝たら風邪こじらせるよ?」 寝ている子供の肩を揺すりながら私は声をかけた。 「んん~、あっ! 父さ…………お姉さん誰?」 その子供は目を擦りながら聞いてきた。 「私はたまたまここを通ったんだよ。 君はお父さんと来たの?」 「うん、でもね父さんとはぐれちゃって探してたんだ」 (……おかしい、普通はぐれたらお父さんも探すはずなのに…………探しているような声が聞こえないなんてどういうこと?) 「……ねぇ、君よかったらお姉さんと一緒に探さない? 私かなり耳がいいんだよ」 でも子供は私の提案に躊躇っていた。 「あっ、私は変な人じゃないよ! これでもギルド隊員だからさ」 私は子供にギルド隊員が持つカードを見せながら言うと、少年は頷いたので一緒に歩きだした。
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