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「能力を持って生まれたから捨てたんじゃない」
父親は、はっきりと否定した。
「じゃあなんで!? どうしてこの子を捨てたんですか!?」
私には分からなかった。 能力を差別して捨てたのでないなら、なぜ捨てるのかを。
そして返ってきた答えはあまりにも予想外で惨いものだった。
「金だよ! 金! あんただってギルドの者だったら知っているだろ!?」
『ギルド』と『お金』からの答えは『推薦制度の援助金』しかない。
「たった……たったそれだけでこの子を!? あんな場所に捨てたんですか!?」
分かってしまった、この子が捨てられた理由を。
自分の考えがどれだけ甘かったのかを。
「捨てたんじゃない、置いてきただけだ」
父親がしれっと言うのに腹は立つが、抑えないといけない。
「意味は変わりません!! この子は……この子は目を腫らすまで泣きながら、あなたを探していたんですよ!? なにも……なにも感じないんですか!?」
「さっきこいつも言ったが、俺達の子はこいつの中にいる子だけだ。 だからなにも感じない」
この人の目には、動揺も焦りもない、あるのは………………軽蔑的なものだけだった。
そんなとき母親が母親とは思えないことを言った。
「そんなにその子が心配なら、あなたが育てたらいいじゃない」
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