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たまにね、いつか離れてしまうのかな、って想像すると涙が出ちゃうんだ。
一つのベッドで一緒に横たわりながらぽつり、と小さく小さく呟いたらシゲはうん、と相槌を打った後、俺を抱き締めた。
俺も、シゲの背中に腕を回して縋る様にきつくきつく抱き付いた。
このまま、体が溶けてひとつになってしまえば、涙が出ることもないのに。
ぼんやり、と馬鹿な事を考えながら、重なる温もりにまた涙が溢れるのが分かったから背中に回した腕に力を込めた。
好き。
頭の中でその言葉がうるさく駆け巡って、その言葉でいっぱいに溢れる。胸が壊れちゃいそうなくらい、ぎゅうって締め付けられて、一緒に居るのにもっと、シゲが欲しいって思った。
シゲは何も言わない。何も言わずに抱き締める。だから俺もなんとなく察したんだ、ああ、いつか離れなきゃならない日が来るんだなぁって。色々考えたらまた、胸が苦しくなったからやめた。今、俺に出来るのは少し早めの鼓動と温かすぎる彼の体温に酔い痴れる事だけ。
好き。
届かない。遠い。こんなに近くにいても。でも、好き。涙がようやく止まったころ、小さく鼻をすすって苦い苦い笑顔を浮かべながら、背中に回してくしゃり、と縋るように掴んだシャツを、離した。
終わり。
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