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暑い。蝉が鳴く声がとてもとても煩い。暑い。眠れない。夜なのにこんなにべたべたするのは何故でしょう。答え、隣にシゲが居るから。しかも、べったり粘って離れないから。
こいつ、暑くないの?一人でもこんなに暑いのに二人で、しかも密着したら暑さ倍増だよ、分かってないのかな。
軽く頭を叩いてやるとシゲは眉を顰めた。でも離れない。何より、起きない。もう頭を叩く気力も無いし、ぼんやりと月の光に照らされたシゲの顔を眺めることにした。
長い睫毛。ぷっくりとした唇。はっきりした二重。ちょっと固めの髪質。ぷにぷにのほっぺた。…好きだ。…あれ、なんか。暑いのに、もうやってらんない位暑いのに。俺までシゲにくっつきたくなってしまった訳で。
とりあえず、シゲの胸板にほっぺたをくっつけて足を絡ませてみる。…暑い。でも悪くない。とくん、とくんって鼓動が心地良い。
「シゲ、すきだよ。だーいすき。」
…気のせいか、シゲの鼓動が早くなった。
終わり。
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