言葉よりも、もっともっと。

2/2
前へ
/16ページ
次へ
シゲの頭を撫でた。髪の毛に指を絡めて、さらりと落とす。くしゃくしゃ、と髪の毛を押し潰して、頭をなぞる。シゲは目を細め、眉を寄せた。いかにも、嫌です。って表情。でも俺は、止めるつもりなんか無くてくしゃくしゃ、と頭を撫でた。 「楽しい?」 髪からほっぺに手を移動させ、ふにふにと摘まむ。ぽつりシゲが吐いた言葉に笑みを浮かべると、言葉の通りに言葉を贈る。 「楽しい!」 別に髪の毛を触りたい訳じゃなくて、ほっぺたに触れたい訳でも無くて、あなただから、何もかも愛しくなる。触れたいって思う。そんなこと、言葉では絶対言えないからあなたに触れる。 いっぱいいっぱいの愛を込めて、シゲの唇に触れるだけのキスをした。 終わり。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

72人が本棚に入れています
本棚に追加