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「酷くないか子音!?」
「どこがよ!? 痛いって言ったのに止めなかった音夜の方が酷い!」
二人が目の前で言い合いを始めたので、葵は溜め息をついてから二人の間に火の玉を投げた。
「あのなぁお前ら痴話喧嘩は後でやれ! 今は説明聞け! 分かったか!?」
「「は、はい」」
葵の剣幕に圧され、二人は上擦った返事しかできなかった。
「こらこら葵、元はお前が説明飛ばすからだろ」
歳老いた男性が葵を窘【たしな】め、二人の方を見た。
「改めて小野寺 子音。今事情をあまり詳しく説明はできないが、君にギルドに入ってほしい。理由は……ほれ」
男性はそこまで言ってから、葵に続きを言うように振った。
「今まで黒風は炎竜……まぁ私の娘と組んでいたんだが、今度起こる可能性が高い事件には二人は組むことはできないんだ。理由は……次の事件が三大神町のどれかで起こるからだ」
「そこまでは理解できたか?」
子音が頷くのを見てから、葵は説明を続けた。
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