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「……葵さん、私『奏姫』でいいです」
「お、そうか? さっきも言ったが一度決めたら変えれないけど……って聞かなくてもよさそうだな。じゃあ後はこっちで手続きしておくから今日は帰って大丈夫だぞ」
部屋から出て、数歩歩いてから子音は音夜に意地悪い笑いを見せた。
「な、なんだよ子音」
音夜は子音に通り名のことで突っ込まれると思っていた。
が、子音の口から出てきたのはその予想とは大きく違った。
「実はねほんとは一時的な参加じゃなくて良かったんだ」
「……は? え? どういうことだ?」
音夜は自分の予想とは全然違う発言とその意味が分からず歩く足も止まり、頭に疑問符が浮かんでいた。
子音はそんな音夜の顔を見たことがなかったので笑ってしまったが、一息入れ落ち着いてから真意を喋りだした。
「ほんとはね別にあの時にちゃんとした入隊で良いかなって思ったのよ」
「え? じゃあなんであの時……」
音夜はそんな思いがあるならなぜ一時的と言ったのか分からなかった。
「ふふっ、だって利用されるだけなんて嫌じゃない? まぁ最終的には思い通りになっちゃうなら途中だけでもイレギュラー挟んでやろうと思ってね」
「いったい何をする気だ?」
音夜には子音が無茶なことをするようなら止めようと思いながら尋ねた。
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