イケメンくん

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だから、上野くんとメール続いているって報告を聞いてすごく嬉しかった。 もしかしたらやっと琴那は拳のことを忘れられるんじゃないかって思った。 そうであってほしいって願ってた。 拳を忘れられない琴那を見てるのが辛くて。 『うん。他の人と違って、質問攻めとかしてこないし、なんかメールのペースもいい感じだし、メールしてて楽しいんだよね。』 琴那……。 『美邑ね、正直、もしかしたら上野くんなら拳を忘れさせてくれるんじゃないかなって思った。』 そう。思った。 もう、琴那の辛そうな顔見たくなくて。 上野くんならって。 『私ももしかしたらって思った。けど、今はまだ拳が忘れられないし、そんな状態で上野くんとは付き合えないから。』 やっぱり琴那はちゃんとしてる。 やけくそなんかで誰かと付き合ったりするような子じゃないから。 『そうだよね。上野くんは何て言ってるの?』
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