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1学期の期末試験が今日でようやく終了し、ざわざわと騒がしい教室は皆どこか晴々と明るい表情をしていた。 「っっんあーーーー!!! 終わったねーーーー!!!」 キョンちゃんは両手をバンザイして柔軟な体を反っていた。 「ね、なんか食べて帰ろっ!」 「いいねー」 キョンちゃんとミホちんと3人で、いつもの駅前のファーストフードに寄った。 この店に来るのは、山下くんと一緒に来たとき以来だった。 いつものように、フレーバーポテトを尋常じゃないスピードでシャカシャカしながら、キョンちゃんがびっしりとつけまつげをつけた目をがっと開いてこっちを見た。 びくっ。 「…んで? 一体、何がどーなったわけ!?」 「こ、こわいよ、キョンちゃん…」 「私も聞きたいなぁ。ナオ、山下くんと進展したんでしょ?」 ミホちんは髪を耳にかきあげながら聞いてきた。 その仕草が妙に色っぽい。 実は、数日前に、隣のクラスの女子に話しかけられ、城座くんとの関係を聞かれた。 どうやら、あの日一緒にこの店にいる姿を目撃されたらしかった。 聞いてきたのが敵意ではなく、興味本位がありありとしていたので少し安心したが、とりあえず何でもないことをはっきりと伝えると、その女子たちはつまらなそうに戻って行った。 しかし。 そんな話をしていなかったキョンちゃんやミホちんに、何があったのかと詰め寄られてしまった。 テスト期間中で3人ともほぼ徹夜だったので、そのときは大まかに話して、終わったらゆっくり話そうということになっていた。 それで、今日のこれだ。
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