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夕日を受けながら、校庭ではまだ部活が行われていた。 校舎を出ると、目はテニスコートについ向かってしまう。 あ。 いた。 テニスコートに程近いこの場所からは、山下くんの姿がはっきりと見える。 どうやら部員同士で練習試合をしているようで、山下くんは相手とラリーをしているようで、汗がキラキラと光っていた。 瞬間、スパンと相手に強烈な一打をお見舞いされ、審判のゲームセットの声と共にその場にバタっと倒れこんだ。 「くっそー!くやしー!また負けた~!」 笑顔で大げさに悔しがるそぶりに、周囲から笑いが漏れる。 「おまえ、ほんとツメが甘いよなー。」 色々な人に突っ込まれる姿は、山下くんが皆から愛されている証拠だ。 その輪の中に城座くんもいて、無邪気に小突き合っていた。 私がその場で、山下くんに気づけ気づけと念を送っていると。 城座くんがこちらに気づいた。 そして、横にいる山下くんに耳打ちし、こちらを指差した。 あ!ど、どうしよう…! 心臓がドキンと跳ねると 山下くんはそのままの笑顔でぶんぶんと手を振ってくれた。 少し前までは見つめるだけだったのに。 私も何とか笑顔で手を振り返し、校門に向かって歩いて行った。
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