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切れ長の二重の瞳が、光を受けて少しグレーがかって見える。
触りたくなるような、透明感のある滑やかな肌。
目線を下げると、血色の良い薄めの唇がゆっくりと開くのがスローモーションで見えた。
キス、ってどんな感じなのかな…
「なに?」
魅入っていた唇から発せられた言葉に、驚いて顔を上げた。
「人の口そんなに見ないでくれる?」
顔がかっと熱くなった。
「あ、ナオちゃんてば、エッチだなぁ!
央司とのキスシーンは後ね!先に央司のストーカーシーン撮るからね!」
賢人くんはにっこりと笑い、カメラを担いだ。
「わ、私は別に…!」
慌てて否定しても、2人はもう台本を見て話している。
~~~っ!!
…はぁ
小さくため息をついて、台本に目を落とした。
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