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目隠しを外した金髪の少年は、銀と目が合う。
「……」
「……」
互いに目を見つめ合ったまま動こうとはせず、時が止まっているようにも思えた。
「ごめんなさい」
金髪の少年は開口一番、そう言うと頭を下げた。
「お、おう」
吃りながらも銀はそれを返す。
「どこまで行ってるんだよルナッセ」
すると、何処からが声が。
「プロミーナがちゃんとしないからなのだ」
金髪の少年の連れなのだろう
、橙色の髪をした少女プロミーナが走ってきた。
「いったわ、馬鹿みたいに突っ走りやがって」
走りながらも上手くツッコミを入れるプロミーナ。
銀はただ、なにも言えず呆然と二人のやり取りを見ていることしか出来なかった。
「ちょっと、いいか」
「なに」
みかねたシルバが、二人のやり取りに割って入る。
「お主達はなにをしていた」
「なにって、スイカ割りである」
ルナッセが返す。
「ふむ、そうか」
「なんなのだ」
「いや、ただの興味本意だ。二人で来たのか」
「うん、光輝にちょっと隠れててと言われてジッとなんかしてられねえぜぇ、海が俺を呼んでいるてなぐあいで」
「それに巻き込まれた」
プロミーナが付け足すようにそう言った。
「な?」
シルバはそう言うと、銀の方を見る。
その顔は“ほら、言っただろう”と書かれているようだった。
「いや、ほら言っただろう的な顔をされてもリアクションに困るよ」
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