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志穂も非現実を目の当たりにして目を丸くする。
「こんなのって」
奇跡を再現したその光景は、それを現実のと知らしめるように瞳に映る。
そして、天城も再びその光景を瞳に写し、海へと歩み寄る。
<…ス…テ……>
「ぐっ?」
海へと近付いたその瞬間、砂嵐のようなノイズが頭を貫く。
自信の影響で、ステージのスピーカーから不快なノイズが出た。
天城はそう思い頭を押さえ志穂の方を見るが、本人に変わった様子は無かった。
「どうしたの?」
「志穂、さっきのノイズが聞こえなかったのか?」
「なんの事?」
「いや、俺の思い違いだったのかもしれないけど……」
天城はそう言うと割れて露になった海底を睨む。
「あそこから、凄く嫌な気配がする」
天城はそう言うと、何やら奇妙な鍵を取り出し握りしめた。
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