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カンカンと照りつける太陽。
焼ける砂浜、冷たい海の水。
夏本番の真っ只中、不釣り合いな男女が難しい顔をして砂浜を眺めていた。
年は十代も後半だろうか黒く艶のある真っ直ぐな黒髪に、真っ白なワンピースを身に纏う少女。
彼女はは腕を組み、夏の砂浜を難しい顔をして眺めている。
「この時期に初めて海に来ましたが、公共の場所にあんなものが立っていて大丈夫なんですか椎名さん」
丁寧語で話す少女。
その瞳には一軒の建物と砂像が目に写っていた。
「いやいや真由美さん、海の家と言うのは結構前からあるものなんですよ」
そうそう言って椎名と呼ばれた男の方も喋り出す。
年は30も後半だろうか浅黒い肌をした男は、半袖半ズボンと言うラフなスタイルで真由美と呼ばれた少女の横に立つ。
「これはこれで夏の風物詩みたいなものですよ……まぁ、今となっては結構洒落た店も出来てるみたいですし」
親子ほどに年の離れた、不釣り合いな男女。
二人は、駐車場から砂浜を含む海をただ漠然と眺めていた。
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