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「えっは、はい」
暫く砂像を呆然と見つめていた真由美。
天城の声に我に帰ったのか、慌てて視線を天城の方へ向ける。
「普段は絵を書いてるんだけど案外、絵以外にも才能があるのかな」
「は、はあ……」
自己陶酔ともとれる言葉に、真由美は頷くことしか出来なかった。
しかしその一方で、砂像の出来は素人目から見た真由美でも見事な出来栄えだ。
「なんか頭に勝手に出てきたんだよな……何だか解る?」
「顔が似てるから親子……いや、双子の姉妹ですかね」
「あぁ、やっぱりそうか」
そう言うと一人で納得したようで勝手に頷き、真由美に麦わら帽子を手渡した
「……ありがとうございます」
何を頷いているのか解らないが真由美は、麦わら帽子を受けとると礼を言い椎名の元へ帰っていった。
「さてと、仕上げに取りかかるかな」
そう言うと天城は、砂像に向かい作業を始めようとしたその時。
「何を話していたの」
先程、天城の顔面を撃ち抜こうとした少女。志穂が水着に着替えて側に立っていて。
「と言うか、いつの間に着替えたの?」
「うん、折角海に来たんだから泳がないと」
彼女の水着はマゼンダーにシアン色、下は黄色と言った三色
のビキニを着ていた。
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