Crossing

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時おり吹く潮風に、太陽の熱で上気した肌に一時の安らぎを覚える。 麦わら帽子を持ちながら、真由美は今の状況を楽しむかのよう表情が綻んでいた。 (何時までも……こんな一時が続けば良いんですけどね) だがそれは、本当に一時の事でしかなかった。 椎名の元へ近づくにつれて、真由美の表情は段々と強張ったものへ変わって行った。       
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