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俺は暗闇の中をさ迷っている。
あのあと、テルミナが死んでから俺もすぐに死んだ。
また別の世界に行くのだろう。
あぁ、また体が引っ張られる感覚。
そして俺の意識は光りの中へと、溶け込んでいった。
レオ「…ここは?」
俺は牢獄のような場所で、手足を鎖で縛られていた。
口から鉄の、血の味がする。
それに異様な空腹感。
辺りを見回すと、激しい頭痛と知識がいつものように頭に叩き込まれた。
数分ほど痛みに耐えると、この世界がわかった。
…ここはトルニティアにある、死刑囚を捕らえておく場所。
そして俺はトルニティア皇子でありながら、トルニティア皇帝を殺害した罪で死刑囚にさせられたようだ。
さらに、この鎖は魔力を使用できないようにする特別な鎖のようだ。
まぁ、壊そうと思えば壊せるんだがな。
ただ、魔法を使わないで鎖を破壊しようとしたが、ガチャガチャと音が鳴るだけで壊れない。
元から壊れにくく作られているんだろう。
さらに空腹で力も出ないしな。
暇潰しにボーッと上を見ていたら、カツン…カツン…と、誰かの足音が聞こえてきた。
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