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私の住み着いていた洞窟の奥。ずっとずっと奥から目映い光が差して彼女は現れた。
彼女は、おほしさまだった。私が生まれて初めて見たおほしさま。進化して初めて見たものもおほしさまだった。
「おはよう、はじめまして」
「こんばんは、初めまして」
一番最初の言葉は、確かこれ。何故か私は彼女をずっとずっと昔から知っているような気がして、彼女は私をずっとずっと昔から知っているような気がしたのだと言う。
初めて自分以外のポケモンを見た私は興味津々で彼女の話をたくさんたくさん聞いていたような気がする。
彼女は人の願いを叶えることのできる力を持っているのだと言った。
ジラーチ。
私の初めてのお友達の名前だった。
ジラーチ。ジラーチ。
私は彼女に出会えたことが嬉しくて、ずっとずっと笑っていたような気がする。
「キュウコンちゃん、ごめんね。僕は七日の間しか目を覚ましていられないんだ」
彼女はほろほろ、ほろほろ泣いて言った。
その言葉に、私もほろほろ、ほろほろ泣いた。
水は苦手だけれど、どうしてか彼女の瞳から零れる水は綺麗で私の毛皮を濡らしても不快にはならなかった。知らない間に私が成長してしまったのか、それとも彼女だったからなのか。
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