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優等生を地で行く様な高島成広は、大人しくて手のかからない生徒だ。先生からの評判も良く、生徒からも一目置かれている。 三年に進級して、担任が学級委員に高島を指名した時、クラスの誰もが納得していた。ただ一人を除いて。 高島が学級委員になるのを反対したのは、他の誰でもない。高島自身だった。 柔和な笑みを浮かべて、自分にはその余裕はありませんと言い切った。 それを眺めていた夏目史郎は、くつくつと笑った。爽やかに有無を言わせず、あいつ断りやがった。
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