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一と離れてから数分後。
誠邪と総司は、 土方の部屋の前に来ていた。
「此処で、 僕が教えた句を大きな声で言ってください」
「此処で? 分かった……『梅の花ぁぁぁぁ!! 一輪咲いても梅は梅ぇぇぇ!!』」
誠邪が、 総司に言われた通り、 句を大きな声で言うと、 土方が襖を開けて、 鬼のような顔をしながら、 総司を見ている。
「総司……てめ「今のは誠邪ですよ」……誠邪?」
土方が怒鳴ろうとした時、 総司が言葉を遮り、 誠邪の腕を優しく引っ張り、 土方の前に出した。
「なんで、 コイツが此処に居やがる」
土方の言葉に、 総司は呆れた顔をしながら、 土方に答える。
「土方さんの句を教えたら、 素晴らしいって」
「えっ……俺の句が?」
土方は、 総司の言葉を聞いて、 少しだけ目を輝かせた。
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