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ある日、いつも通り学校に行くと、俺を見るみんなの目が変わっていた。
「はよ。どうかしたか?」
「あ。お、おう…」
クラスの中でも、一番仲が良いと思ってた佳幸。目線、そらされた…
「ったく…なんなんだよ…」
少しイラつきながら、自分の席に行くと、机には大量の落書きがあった。
「なんの嫌がらせだよ…」
死ねとか、キモいとか…呆れて眺めてると、教室の反対側からクスクスと笑い声が聞こえた。
「ククッ…あいつ、ショック受けてるぜ?」
「自業自得だろ。」
「だな~!!」
自業自得?俺が何かした?
「どう言うことだよ。」
無意識に口から出た言葉。
「だからー!!お前の自業自得なの!!」
「唯のこといじめといて、関係ないとか思ってんの?」
唯…?誰だ?
「はぁ?いじめなんてしてねぇし。てか、唯って誰だよ。」
「となりのクラスの中沢唯。いじめといて知らねぇとか。ふざけてんの?」
となりのクラス…?違うクラスなんて、ましてや女子の名前なんて、わかるわけない。
「あんた、シラ切るつもり!?唯ちゃんがどんな気持ちで相談してくれたか…あんたにわかるの!?」
このクラスの女子の中で、1・2を争う権力を持つ倉木佳奈。まぁ、あいつに話せば話が広まるのが早い。
「…なんなんだよ…!!」
これじゃあ、学校全体に噂が広まるのは、時間の問題だ。
「覚悟しとけよ…?」
そう呟かれたのは、きっと、気のせいじゃないと思う。
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