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昼休み、俺は弁当を持って屋上に居た。ほとんどの奴は、教室とか裏庭で食べる奴が多い。
それに、教室は居心地が悪くなった。昨日まではあの中に居たんだけどな。
「…で…何の用?飯食いたいんだけど。」
「………。」
後ろを振り返り、つけてきた人物を見る。…佳幸だ。
「海音…唯ちゃんに謝ろうよ…?」
「何で俺が!!ふざけてんのか?」
「今なら…許して貰えるかもよ?」
何もしてないのに許して貰う…?
「…出てけよ。」
「海音…」
「っ…1人にしてくれ…!!」
半ば、叫ぶように言うと、佳幸は屋上から去っていった。
「何で…信じてくれない…?」
フェンスに寄り掛かり、崩れるように座り込むと、自然と涙が出てきた。
「ぁ…はっ。かっこ悪ぃ…」
皆より、親友だった佳幸に信じて貰えなかったことが、何よりもショックだった。
その後、その場から動く気も起きず、午後の授業はサボることにした。サボっている間、考えていたのは俺にいじめられていると言うデマを流した“中沢 唯”とか言う女子のこと。
「…となりのクラスだろ…?」
全く記憶にねぇ、と呟いて、しばらく考えていると、先日の校舎裏でのことを思い出した。
「…あいつか…?」
その時、告白を断った1人の女子の顔が、頭に浮かんでいた。
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