プロローグ

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「あはははは。完璧!流石、俺!」 少女は唇をわなわな震わせて、ぎこちない動きで振り返る。 少女の驚いた顔を見て満足した俺は素直に謝ろうとしたが、その前に少女の平手打ちが舞った。 パアアンッ 心地好い音が響いた。このレベルの完璧なビンタを打たれると逆に清々しい気分になる。 こういうときはなるべく早い段階で謝っておくのが得策というものだろう。 「………え~と、あれです。すいませんでした。はい。」 パアアンッ 「ぶっ!」 更にもう一発打たれた。頬っぺたがヒリヒリして痛い。 「いてて、お前、毎回ビンタのキレが増してきてないか?ピクリとも反応出来なかったぞ。」 返ってきたのは、――裕人のおかげでね!という皮肉めいた答えだった。
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