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「えー、これがいわゆる死。――ゲームオーバーです――。死んだらこのようになるんで、せいぜい注意して下さ~い。」
唖然。とした空気のあと、俺は目の前で親友が殺されたのに、足がすくんで一歩も動くことが出来なかった。
他の連中が怒声をあげながら反抗し、また同じように殺される様を見ても俺の足は地面に縫い付けられたように動かなかった。
――何だ、何なんだよ。これ。本当に現実、なのか?
目が覚めたらいつも通りの朝が広がってるんじゃないか?
いろんな思考が頭の中をグルグル廻って消えていく。
もう、ウンザリだ。どれだけ後悔したかもわからない。もう味わいたくない。絶対に。
俺の心情を知ってか知らずか、俺の顔を悲しそうに眺めていた明日香は、やがて口を開き――。
「いこ。…学校、遅刻しちゃうよ?」
俺はニコッと無理矢理な笑顔をつくり、
「そうだな。行こう。」
と言い、足を踏み出した。
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