雨降る図書館で

2/9
前へ
/17ページ
次へ
『あーっ!雨なんて大っ嫌い!』 レインコートを脱ぎ捨てソファに置いた。 傘は雨でぬれ長靴は泥だらけだ。 え、猫? だって猫の声なんて聞こえないもんっ☆← …だけどこの図書館「セカイ」は特別。 『もーめんどくさいなー…片付けて!』 パチンッ 指を鳴らせばいままで汚れていたものはすべてきれいになり元どうり。 そう…。 この図書館では私の言ったことが簡単に実現する世界。 いわば私の世界だ。 コンコン ふいに誰かがノックをした。 『誰?』 ジャック「ジャックです、入ってもよろしいですか?」 『あーいいよー!』 ドアを静かに開けて入ってきたのは 黒いショートカットの若い執事だった。 ジャック「掃除にまいりました。」 『うん、終わったよ!』 ジャックは部屋を眺めてため息をついた。 ジャック「…お嬢様、私の仕事がなくなってしまいます。」 『んーいいんじゃない?』 ジャック「…」 ジャックはまた短くため息をついた。 まったく、ジャックはため息が多いんだから… 幸せが逃げて行っちゃうよ? コンコン 『ん?』 また誰かがノックをした。 クイーン「奏ちゃん?」 『クイーン!』 クイーンがドアを開ける前にドアへ走った。 クイーン「きゃっ!…もーびっくりするじゃん!」 『ごめんごめんって!』 だきついていた手を話してクイーンに微笑みかけた。 クイーンは髪の長い女の子でおしとやか。 私とは…かなり違うのかな。 ボケーっと考えていたらまたノックが聞こえた。 コンコン 『今日は人が良く来るなぁ…誰?』 今度はドアをこっちが開ける前に勝手に入ってきた。 キング「よぉ、奏!」 入って来たのは金髪のちょっとチャライ男の子だった。 ジャック「…キング、部屋に入るときには相手の許可を取るのが常識ですよ。」 キング「ん?俺に常識がないとでも言いたいのかよ?」 クイーン「…んんっ!」 結局3人が1つの部屋に集まった。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加