緑の世界

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芹は思い付く限りのことを話した。 「……確かに、あんたはこの世界の人間じゃないようだな」 たくさんのことを話し、疲れた口を閉じた芹に、ダンが初めて肯定の言葉を放った。 ようやく信じてもらえた、と安堵する、芹とヒューズ。 と、そこで初めてカジの姿が見えないことに気付き、芹があたりを見回すと、奥にある部屋でテーブルに着いているカジを見付けた。 芹がそちらを向いたからか、隣に居たヒューズの視線もカジを捉える。 「……お前はそこで何をしてる?」 「お?話は終わったのか? 茶ァ淹れたから飲もうや」 テーブルにスタンバイされた茶器を指し、こちらに手を振ってくる。 「そーだな。あんたも来いよ」 最初にダンが動き、芹を誘ってきた。 溜め息をついたヒューズもダンに続き、 「行きましょう、セリ様」 芹をエスコートしてくれる。
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