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「なんかゲームでもしない?」
谷くんが言った。それから始まってしまったのは王様ゲームってやつで。
最初は軽く抱き合うとか、耳に息を吹きかけるとか、今思うと可愛いことをしていた。
だけど、男の子に触れる機会なんてなかったあたしは、自分の番がきたらどうしようってずっとドキドキしてた。
そのとき、隣に座ってたヒロムは風を浴びてるみたいに涼しそうな顔をしていたことを覚えている。
運良く当たることもなくて、他の女の子達が男の子と抱き合ったり、男の子同士でポッキーを端っこから食べたりしてるのを笑いながら見てた。
だけど、谷くんが「じゃあ。一番と六番が布団の中で寝る」と言いだした瞬間、あたしとヒロムが「えっ?」と声を出したから、みんなに笑われてしまった。
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