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そう言うと、「どうだろ」って言葉を濁した。縮こまる態勢が窮屈で脚を伸ばそうとすると、膝がヒロムの太ももに触れてしまった。
「ごめん」
「大丈夫」
俯いてた顔が苦しくて、布団から顔を出そうかとあげたときだった。
軽く唇の表面が、ヒロムの唇に触れてしまったのは。
「あっ……」
どうやら、ヒロムも俯いていたらしい。どうしよう、と思ってるとヒロムから「ごめん」と言った。
「ごめんね」
それから身動きひとつ出来なくて、長い十分をヒロムの体温と、少しの世間話で繋いだ。
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