物語の終わりには。

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「ミア、元気ないね?」 成澤くんの目にもそう映るのか、一緒にいるとそう言われることが多くなった。前に泊まりに来る?なんて言われたけど、こんな気持ちで成澤くんといることも辛くなった。 あたしはなんて中途半端なんだろう。 ヒロムはあたしに好きと言ってくれて、モモカはヒロムのことを好きだという。成澤くんだってあたしを好きだと思ってくれてるんだと思う。 あたしの本当の心は誰を思っているんだろう。 ずっと同じことを繰り返し、思っていた。 それからカレンダーは二月に変わってからまた一週間を過ぎた。そんなときだった。 モモカが「大切な話がある」とあたしに言った。嫌な予感だと思ったのは、ヒロムのことが浮かんだからだ。
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