セフカレ‐14.8‐

初めての経験。

ヒロムとは中学校の同級生だった。

家も自転車で飛ばせば十分の距離にある。

あれは、確か中ニの春頃の出来事だったと思う。その時、初めてあたしとヒロムは同じクラスになった。

席は離れてて、そんなに話したこともなかった。

なんとなくクラスの中にはぽつりぽつりとグループが出来る。勿論、女子と男子は同じグループになることなんかなくて、そんな中、ヒロムはクラスの中ではかっこいい男子のグループの中には所属していた。

「放課後、ヒロムの家に集合」

なんて言い出したのは、ヒロムと同じグループの谷くんだった。

あたしがいたグループに昼休み、ヒソヒソとしたお誘いをかけてきたんだ。

谷くんと言えば、サッカー部で、甘い顔立ちのせいか女子の中では人気のある存在。あたしのいるグループの中に谷くんを好きな子だって勿論いたし。

あたしもちょっとかっこいいかな、なんて思ってはいた。だから、迷うことなく「行く！」って即決だった。