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ポンコツロボとは失礼ですね…
一応、俺は最新型ロボットなのですから、もう少し良い扱いにしてくれてもいいでしょうに…
彼女は新型のロボットが作られる度にテスト運用に付き合わされていたらしいから、仕方がないのかもしれません。
本部との通信のため、俺は頭にイメージを思い浮かべ相手に語りかけた。
『【ミッション648240の開始準備完了。これより、実行に移します。】』
「通信になると、普通に話せるのね…」
『【3…2…1…ミッションスタート】』
シュッ…!
リョウと俺はビルから落ちてゆく。
昔の人間ならば、地面へ真っ逆さま…落下すると思います。
でも、リョウは違う。
ビルの半分ぐらいの所で、壁を蹴りふわりと翔ぶ。
そして、俺もそれに続いてついてゆく。
「案外、出来るのね」
『それほどでもありません。ほんのしょほです』
「そう。流石に50体以上も失敗作を送り出していれば、少しはマシになるのね」
俺とリョウは人気の無い路地を見つけ、着地した。
カッカッカッ…
リョウはどこかの映画の女優のようにブーツの音を立てながら、奥へ進んでゆく。
『どこへ行くのですか?』
「そうね…侵入は簡単に出来ちゃったし、資金調達にでも行こうかしら。」
『りょうかい』
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