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李久さんは疲れたように溜息をつきながら、頭をかいた。
「俺が『どうしたい』ってのは、難しいことじゃない。…亜希と、どうしたいか、だよ」
「………っえ!」
「すっげーーーむかつくことに、亜希もあんたのこと好きみたいだしな?野暮なことはしねえよ」
あ、亜希さんが、僕のことを………
何度思い出しても赤面してしまう。
正直、何度夢で見たかも覚えていない。
最早、全てが夢だと思ってしまうくらいに。
李久さんは赤面した僕を見て一瞬むっとしたけれど、すぐに小さく笑った。
「…ただ沖田サンが行動を起こさねえっていうなら、亜希は返してもらう。…って言っても、元々俺のじゃねえけど」
「……ありがとうございます」
「なんだよそれ。ほんっと、むかつくな?」
本当に、亜希さんの周りの方々は良い人ばかりだ。真奈美さんも、沙希さんも。
李久さんはとても良い方だけれど、…最大の敵だと思う。でももちろん、誰にも負ける気はないんだ。
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