迷い

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「私ね、分かったことがあって」 自分の手を閉じたり開いたりを繰り返しながら、亜希は話し始める。 表情は柔くて、少し照れくさそうで。 「総司さんに会ってからまだ半年も経ってないのに、いつのまにかすごく大切な存在になっててね」 「時間なんて関係ないよ」 短くても濃い期間だったんだから、なおさら。 沙希さんもよくやるよね。 「…ね、真奈美」 「んー?」 コーヒーを飲みながら返事をする。 マグカップから亜希に視線を移すと、亜希はなんともいえない複雑な顔をしていた。 「やっぱ、帰りたいのかな…」 ・・・えーと、多分沖田さんの話だよね。 それで帰りたいっていうと・・・ 「・・・幕末に、ってこと?」 亜希はこくりと頷く。 あたしにはもちろん分からない。 でもあたしの考えだけでも、と思った。
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