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そんなある日のことだった。
船公園の前にある信号付近を囲むように、人だかりができていた。
時計を見ると15時2分。いつもなら15時ぴったりにはいる藍子が今日はまだ来ていない。
周りを念入りに見回すがやはり藍子の姿は確認できない。
何故か無性に不安になった。
人だかりが出来ている方向に駆け出した。
「藍子!藍子!」
藍子の名前を必死に呼ぶおばさんが見えた。
一瞬にして血の気が引いた。
藍子を呼ぶおばさんの白い洋服は真っ赤になっていて、おばさんの中で目を瞑っている藍子はまるで人形の様にいる。
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