弐幕

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びくりと身体をびくつかせた姉妹は 音のした方へと顔を向ける。 そこには木製の階段があり、どうやら 音はその上からのようだ。 …トン! …ころ、トン! 近付くにつれて、それが転がりながら 落ちてきているのが、音で判った。 …ころころ、…トン! …ころころころ、…トン! 次第に大きく、近付いてくる音が気になって 提灯を持っていた彩花は灯りを階段へと 向けて、仄かに明るく照らし出した。 ころころころ、…トン! 丁度、光がギリギリ当たるところに 黒い、丸いものが落ちてきた。 ころころころ、…トン! それはだいたい人の頭と同じくらいで、 ころころころ、…トン! 黒いのは、黒い糸の様なものを巻き付けて いるからのようで、 ころころころ、…トン! 時折、黒糸の間から青白いものが見える。 ころころころ、…トン!! …ころころころころころ…。 .
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