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とうとう最後の段差も転げ落ちたそれは、
姉妹の足元のすぐ近くまで転がってきた。
ころころころころ、ずりずりずりずり
その間に、それに巻き付いていた黒糸は
はらはらと緩み、床に落ちていく。
黒糸は一本一本が長く、まるで、
人の髪のようで…
それが緩まり落ちる度、巻かれていたモノの
青白い部分が広がっていく…。
「…。」「…っ。」
青白いモノには凹凸があり、それは
人の鼻のようで、人の耳のようで、
人の口のようで、…人の目玉のようなモノと
姉妹は目が合う。
「「…!!」」
…違う、これは…
…人の、頭だ。
目を血走らせ、頭はギロリとこちらを向く。
妙に赤い口をだらりと開き、黒く塗った
歯を露見させている。
…ごろん、
ゆっくりと、首だけの女は動き出し、
姉妹へと更に近付く。
…ごろん、ごろん
それに合わせて、姉妹も一歩一歩後ずさる。
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