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先程からの、あまりに非現実的なソレに、
姉妹は上手く頭が働かないでいた。
ごろん、ごろん
ただ、パニック寸前の姉妹にも判るのは
「…詩花!!」
「っ!!」
二人は一斉に駆け出す。
ただ…、
判るのは、立ち止まってはいけない事と、
―ダッダッダッダッダッダッダッダッ!!
…早く、この屋敷から脱出しなければ!
その二つであった。
…
兎に角、二人は走る。
ギシギシと床板を軋ませ、長く続く廊下を、
右へ左へと曲がりながら、二人は走る。
互いに互いの手を握り、彩花の持っている
提灯の灯りを頼りに、走る、走る、走る。
走る、走る、曲がる、曲がる、走る。
…そんな時、
―~♪♪~~♪♪♪
…暗い日本家屋というこの場所に、場違いな
明るい女性の歌が響き渡った。
「うわっ!」
姉妹は驚いて立ち止まってしまい、
音源を探しているのか、キョロキョロと
辺りを見回す。
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