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「…ぇ?」
彩花が目を覚ますと、詩花の顔が
間近にあった。
「…ちょ、近いよ!」
「だって…!」
ポロポロと、涙を流しながら詩花は言った。
「ケータイを落としてから、お姉ちゃん、
全然反応してくれないし、笑い声と沢山の
手に追いかけられてる最中に突然
倒れちゃうし…!
あの人が居なかったら…。」
「…あの人??」
泣きながら話す詩花の話を申し訳なく
思いながら聞いていると、とある言葉に
疑問を持ち、彩花は問い掛けた。
「うん、…あの人。」
そう言って詩花が指差した先には、
「っ!」
いつの間にいたのか、最初にこの屋敷に
入って出会った、あの女性がいた。
相も変わらず、青白い。
「あの人が指差したこの部屋に入ったら
音も手も来なくなったの。」
「…そう、なんだ…。」
何故この女性は自分たちを助けてくれるのか
その疑問は尽きないが、兎に角、
助けてくれた事に感謝しようと起き上がる。
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