弐幕

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「…ぇ?」 彩花が目を覚ますと、詩花の顔が 間近にあった。 「…ちょ、近いよ!」 「だって…!」 ポロポロと、涙を流しながら詩花は言った。 「ケータイを落としてから、お姉ちゃん、 全然反応してくれないし、笑い声と沢山の 手に追いかけられてる最中に突然 倒れちゃうし…! あの人が居なかったら…。」 「…あの人??」 泣きながら話す詩花の話を申し訳なく 思いながら聞いていると、とある言葉に 疑問を持ち、彩花は問い掛けた。 「うん、…あの人。」 そう言って詩花が指差した先には、 「っ!」 いつの間にいたのか、最初にこの屋敷に 入って出会った、あの女性がいた。 相も変わらず、青白い。 「あの人が指差したこの部屋に入ったら 音も手も来なくなったの。」 「…そう、なんだ…。」 何故この女性は自分たちを助けてくれるのか その疑問は尽きないが、兎に角、 助けてくれた事に感謝しようと起き上がる。 .
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