零幕

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「じゃあなんで!?まさか迷った…」 ピシャッ!!!ゴロゴロゴロ!! 「「きゃあ!!」」 姉がとうとう不安をぶちまけた時、 それに更に追い打ちをかけるように 稲妻が走る。 そして、姉妹はようやく気付いた。 先程まで光で溢れていた森は暗く、 晴れ渡っていた空が、灰色の雲に 覆われてしまった事に。 …ポツ、ポツポツ、…ザー!!!! 「あ!」 「降ってきた!!」 稲妻と雨雲で予想していたが、やはり 雨が勢い良く降ってきた。 「どっかで雨宿りしなきゃ!!」 どちらともなくそう言い、姉妹は一緒に 暗い森を駆け出した。 … 喪服替わりの黒のワンピースが水分で 重さを増した頃、ようやく二人は 立派な、しかし廃墟と化している屋敷を 見つけた。 二人はそこの入り口の軒先に飛び込み、 雨が止むのを待つことにした。 .
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