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「真っ白な天井と壁」
いいえ、私は真っ白な天井
悪夢のように床がこぼれ落ちて
暗闇のなか、砂時計のように
落ちつづけることを繰り返す
永遠をはかるものは白昼夢
そう、私は真っ白な天井
なくしたいと願った自分だけ
どうしてもなくせない真っ白な天井
記憶喪失のような壁を知っているわ
今となっては雑音ひとつ響かない、無音の壁
すみにたったひとつだけ愛しい人と書いてある
そうね、だからさみしいのね
いいえ、私は落ちていく天井
真っ白なままに
落ちていく名もなき天井
作 夏休み
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